僕は映画鑑賞が好きだ。
平日のレイトショーで、お客さんも僕を含めて二、三人といった穏やかな環境の中で観るのが慣例となっている。
最後のエンドロールが終わり場内の灯りがともり、そこに残る映画の余韻とポツンと残された僕を包む静寂が好きなのだ。
そこにポツンと存在する僕…
次、どこに行こう…
次、何をする…?
僕は一体、何なんだろう…
もう時間は深夜。
深夜の仕事に携わっている人以外は、大方は自宅で一日の終わりを迎えようとしている。
ひっそりと寝静まった、闇に包まれた街を抜けて家路へと車を走らせる。
僕の辿り着くべき場所は、本当は何処なのか…。
これから先、僕の人生は何処に向かうのか…。
視えない未来に問いかけながら、闇を走り抜ける。
そんな調子で、僕はその日も映画館のシートに腰を下ろしていた。
本編が始まる前に流される、公開予定の予告編が始まった。
すると、SF映画の予告が流れ出したとき、僕の中にメッセージが入ってきた。
「今度はこれを観るんだよ。」
僕は正直なところ、SF映画や宇宙を扱った映画はあまり好みではなかった。
しかし、つぶちゃんメッセージとなれば話は別。
「この映画の中に、何があるんだろうか…」
ちょっと、公開が楽しみになっていた。

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