二つで一つ…

その現象が現れだしたのは、やはりつぶちゃんのお墓で向き合っている時であった。

心を落ち着かせて、自分を取り巻く環境を受け入れる…

鳥のさえずりや肌に触れるそよ風の感触、そしてこの世のぬくもり…

それらを感じながら、僕の内側に意識は入っていく…

もう、つぶちゃんのお墓参りというよりも、瞑想と呼ぶほうが正確な表現かもしれない。

この場所に腰をおろして静かに目を閉じると、波立っていた心もやがては落ち着きを取り戻し、心をリセットできる場所となっていた。

僕だけのパワースポット

目を閉じて、そのパワースポットで向き合っていると感じる微かな音…

そして微かな振動…

目を開き、そちらに視線をやる。

僕の耳元あたりで二頭の蝶が、羽を擦り合わせながダンスを踊っている…

そして入ってくる…

「これがボクと拳ちゃんの姿だよ。」

僕はポケットからスマホを取り出し、記録を始めた。

そして、その現象は僕の行く先々でも頻発するようになっていった。

いつもいっしょ

今日もまた…

いつも蝶がツインで現れる。

僕を誘うように…

やがては蝶にとどまらず、いろんな命たちがツインとなって現れだした。

時にはカタツムリが仲良くくっついて、[パワースポット]の墓石にいたり…

スズメが二羽、仲良くパワースポットにやって来たり…

更には、お隣さんの屋根の上に二羽の鳩がやって来て、毎日毎日仲睦まじい姿を見せてくれるようになっていた。

いつも…

いつも…

僕の目に入ってくる状況、それはどう解釈しても[愛]以外思いつく答えは見つからなかった。

愛…

僕の心は、益々豊かに感じられる状態となっていた。

幸せだ…

しかし、その[愛]というキーワードが、僕の地獄の扉を開ける呪文でもあったのである…

これから始まる壮絶な苦しみ…

その幕開けが近づいていた…。

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