バイブレーション

僕の内側が震えている…

炭酸飲料を振ったとき、炭酸がフタを突き破るような勢いで吹き上がるように、僕の中を突き破ろうと、何かが叫んでいる…

苦しい…

この苦しみと向き合う為に、瞑想を始めてみる事にした。

思考のスイッチをオフにして、ただ内側を覗きみる。

そんなに簡単に視えるものではなかったが、時には重要なビジョンが視える事もあった。

ある日の入浴中、僕の意識は深く入り込み、ビジョンを捉えていた。

あの喫茶店が取り壊されて更地になった景色を、道路を挟んだ反対側の歩道から眺める僕の姿…

僕の意識は、その風景の中に完全に入り込んでいる。

その次の展開…

それを求めたとき、僕は我に返った。

今のはもしかして…

予感は的中していた。

後日、お店の閉店の知らせが耳に入ってきた…

一つの長い歴史が、僕の思い出と大切な人を引き連れて消えてゆく…

複雑な心境に陥った。

もうこれで、完全に彼女を見失う…

せっかく出逢えた[魂の双子]も、何の発展もなく消えていく…

最初からわかっていたこと。

彼女には家庭がある。

どこか期待していた自分に気づく…

この複雑な心境も、また僕の苦しみに拍車をかける事となっていた。

更には、肉体的な不調も重なり始めた。

酷い蕁麻疹と右膝の腫れが、これでもかと伸し掛かる。

肉体と精神の完璧な崩壊であった。

限界ギリギリの中、その苦しみを外に漏らすまいと平静を装うも、周りは異変に気づいていたと思う。

そんな中で、僧侶として供養の依頼を受けた時、僕がおりんを打って読経を読み始める瞬間に、それは起こった。

花瓶に飾られた仏花が、僕の目の前で一本だけ揺れ始めたのだ!

僕はすぐにピンときた。

僕の内側の状態が、目の前の花に現れている…。

僕の内側のバイブレーションが、この一本の花に映し出されているんだと。

そのお宅の方に状況を説明し、読経が終わっても揺れていたら動画を撮らせて欲しい旨を伝えた。

そして読経が終わっても、その花は揺れ続けていた。

僕は動画を撮影した後、揺れ続ける花の茎を撫でてみた。

すると、それは静かに止まった。 

僕の内側が、外側に現れている…

間違いなく、[ツインソウル]というキーワードに関連した、何かが起きようとしている…

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