その後、金曜日を迎えて、お二人と再会となった。
二人は夫婦で、一緒に聖書の普及活動に携わっているとの事であった。
早速、男性がタブレットを開き、聖書の文言を僕に見せてくれた。
「読んでごらん。」
初めて読む聖書に、僕のたどたどしい声は、まるで酔っ払いの千鳥足のようであった。
男性は、「意味わかる?」と投げかけてきた。
僕は、今の自分の心で答えてみた。
すると男性は、「正解!凄いね。聖書は学んだ事ないよね?よくわかったね。」
そして次の項目を指して、
「じゃあ、これは?」
「正解!」
そんなやり取りが続くと、
「凄いね!学んでなくても解るって、もう備わっているのかな…。」
僕は答えた。
「今回始まった苦しみと向き合っているうちに気づき、備わったんだと思います。」
僕はそう答えながら、ある映画が同時に浮かびあがってきた。
[スラムドッグ$ミリオネア]
インドの貧困育ちの青年が、訳あってクイズミリオネアに応募する。
そして遂に青年は、最後の問題まで辿り着く。
しかし番組サイドは、こんな貧困育ちの青年が答えを知るはずはないと、警察に通報され連行されてしまう。
取調室で拷問にかけながら、取調官が聞く…
「お前のようなスラムドッグが、答えを知るはずがない!イカサマだろう!」
そして、青年は答える…
「貧困を生きて来た中に、答えがあったんだ…」
そのシーンが、僕の脳裏に映し出された。
同じだ…。
すると男性は、
「この聖書が理解できるという事は、間違いなくあなたは聖書の導きの道をあゆんでいる。」
そう言って、讃えてくれた。
やはり僕の思ったとおりだ。
僕は今、悟りの道を進んでいる。
この二人との出会いの意味…
それは、
「間違ってないぞ。そのまま進め。」
との、天からのメッセージだったんだと納得した。
そして、お二人は忙しいとの事で、僕を残して先に席を立った。
僕は一人残り、[スラムドッグ$ミリオネア」を回想した。
そして、目の前に飾られた花瓶を見ると、松の枝が一本震えていた。
僕の内側のように…
追伸
スラムドッグ$ミリオネア
僕の大好きな映画で、5本の指に入るくらいのお気に入り。
まだ観てない方、オススメです。
子供の頃から大好きで、観続けてきた映画…
その観てきた映画の中に、僕の今に至るヒントが隠されていたんだ…と、つくづく感じたのでした。
不思議だけど、過去に観た映画と同じ状況下に置かれたりして、あの映画の意味ってそういう事か!と気づく事がいっぱいあるんです。
また機会があれば、そんな話も紹介していきますね。
まるで僕の人生、ゲームみたいって感じるようになっていた。

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