涙の意味…

僕の内側の状況は、目まぐるしく変化する…。

[怒り]と向き合ったかと思えば、突然湧き上がる[悲しみ]…。

傍から見れば完全に情緒不安定者であり、医者が診れば鬱病か統合失調症と名づけられるのだろう。

でも僕は、ハッキリとそれを否定する。

そんな簡単に病名をつけられて、ひとくくりにされるのは違う。

これはまるで登山家が頂上を目指すような、そんな苦しみや闘いに似ているんじゃないだろうか…。

この苦しみに勝つには薬なんかじゃなく、この闇を晴らす事しかないのだ。

じゃあ、どうすれば闇を晴らす事ができるのか…。

それも、もう答えは出ている。

エゴ(自我)を手放せばよい。

しかし、それが簡単には手放せないのである。

時に、僕の目から涙が頬を伝う…

この感情は何処からやって来るんだろう…

この涙は何処から…

我々は水を必要とする時、流し台に備え付けられた蛇口をひねる。

水はそこに在ると思い込んでいる。

それは少し違う…

山で湧いた水滴が麓に流れ小川となり、やがて川は広がってゆく…。

それは海へと繋がり、無限大となる。

そして雨が降り、池に水は溜まる。

やがて我々もその水を浄化し、[道]を作り家庭へと送られる。

そんな長い道のりの末、我が家に辿り着いてくれている…。

果たしてこの涙は、どんな歴史の道を辿ってきたのだろう…

過去世、何度も巡りあいながらも、結ばれる事ができない悲恋からくるものなのだろうか…。

確かに彼女が消えてしまった失望感はあるが、この涙はそんなインスタントな涙ではない。

もっと重く…

もっと苦しい…

そんな涙なのである。

でも、そんな涙を横目に、つぶちゃんは笑顔でいる。

「がんばれ!拳ちゃん。」

間違いなく、そう感じるんだ。

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