その翌日の朝、目が覚めると同時に昨日の記憶が甦る。
ネコ…。
餌は食べられているだろうか…。
水を飲んだ形跡は…。
そんな想いに駆られながら、ガレージへと向かった。
カップラーメンの空き容器に入れておいたパンの切れ端は…。
無いっ!
まだ、中にいるっ!
よかった…。
この安堵感は会いたかった証か…。
今度は外に逃げないようにと、シャッターを降ろしてまた捜索を開始した。
見当たらない…。
中にいる事は間違いない。
少し頭を冷やして、冷静を取り戻して捜索を再開する事にした。
大まかな所は全て調べた。
かなりの狭い空間に、身を隠しているのだろう。
怯えながら…。
安心させて、出てきたところを捕獲するしかない。
新しい餌を備えて、その時を待った。
はやる気持ちを抑えながら…。
日没も近づきつつあったので、日課であるカメたちの夕方の点呼に合わせて、作戦を決行する事にした。
ゆっくり、ゆっくり…
音を立てないように、シャッターを上げてゆく…。
シャッターを僕の顔の幅くらい上げておいて、腹這いになって中を覗いてみる…。
いたっ!!
ついに姿を発見した!
白い子猫が、まるで未来を見つめているかの様に佇んでいる!
また少しづつシャッターを上げ始めると、ネコがこちらを振り向いた。
そして、身の危険を察知し、ガレージの奥へと歩いていく…。
僕はそのままシャッターを上げ続け、極力平静を保ちながら中へと入っていく。
ネコの歩いた方角へと…。
物が置かれた裏側に、顔を突っ込んでみる…。
いた…。
不安そうな顔で、こちらを振り向く…。
初対面の記念写真を、カシャッ!
それがこちら。

そしてまた、物が山積みにされた隙間へと消えていった。
これは一人では無理だ…。
今日も諦めよう…。
それでも、対面できた事が収穫であった。
そして事態は、まるで大捕物へと様相を変えていく…。
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