仔猫が到着して、また1日が過ぎた。
時は9月8日、つぶちゃんの命日を迎えていた。
そして、仔猫の捕獲作戦の決行の日となった。
家族のチカラが集結した。
ガレージのシャッターを開けると、鼻を摘みたくなるような匂いが充満している。
ウンチしとるやないかいっ…。
大捜索が始まって間もなく、姪っ子がその[地雷]踏む…。
お気に入りの靴の溝に入り込んだ[地雷]の衝撃で、姪っ子が戦意喪失し戦線離脱となる。
誇りにまみれながら、一つ一つ物を排除しながら探していると…。
よくこんな隙間に入り込んだな…
と関心させられるような姿で、息を殺して固まっていた。
サンドウィッチのパンに挟まった、ハムのようになって…。
姉が「見つけた~!」と、優しく仔猫の背中を上から掴んだ瞬間…。
仔猫の中の悪魔が顔を出した!
「ギャー!」
姉の手首から、鮮血の三本線が浮かび上がる…。
出血から見て、傷は深そうに感じる…。
治療の為に、また一人戦線離脱となる。
なかなか進まない状況に、強硬策に出ることにした。
とにかく怯えているので、プレッシャーをかけてコーナーに追い込む。
ボクシングのように…。
仔猫はジリジリと隅へと後退してゆく。
仔猫がコーナーに詰まったところを、手袋をはめた僕の左右の手が、仔猫の動きを殺していく。
そして…。
確保!
その瞬間、激しく抵抗するも、頭を撫でてやると観念した。
早速、仔猫の身体を洗い、仔猫の住処となるケージを買いに走る…。
そしてガレージ内の[地雷]の撤去作業…。
毎年、つぶちゃんの命日は心を落ちつけて過ごすように心がけているが、今回はとっても心が波立った命日となった。
やがて仔猫がケージ内に収まると、僕は心をリセットしてつぶちゃんに感謝の想いを届けたのであった。
「つぶちゃん、仔猫をしっかり受け取ったからね。僕が癒やすから大丈夫だよ。いつも、ありがとう。」
9月8日を目指して来た仔猫…。
早く着いたからガレージの中で、その時がくる帳尻合わせをしていたのかな。

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