仔猫の正体

仔猫はケージの中で怯えていた。

そして我々が近づこうものなら、威嚇し怒りの表情を露わにした。

僕が撫でようと触れた時、それは仔猫の逆鱗に触れる事となった。

仔猫の牙が、僕の手の甲にめり込んだ…。

痛みと同時に、傷口が真っ赤に染まる。

傷の手当てをしながら思うのであった。

この仔猫の内側も、[怒り]や[不安]や[恐怖]に支配されている。

まるで僕が闘っている、内側の[負のエネルギー]と同じだ。

仔猫の正体…。

これは僕の内側の[負のエネルギー]が、[形]となって現れた姿なんだ。

この仔猫を愛で癒やしてやる事、それは僕の内側の浄化と同時進行なんだ。

この仔猫を育てながら、僕自身も愛を学ぶ…。

それが、この仔猫の中に内包された、僕への宿題なんだと感じた。

僕が幸せにしてやる。

来てくれて、ありがとう。

名前は…

そうだな…

ネコニャンだ。

コメントを残す