時は4月8日。
つぶちゃんの月命日である。
8日は僕にとって、とても大切な日である。
つぶちゃんに月命日の[感謝のお勤め]を届けようと、法衣に着替え終わったドンピシャのタイミングで声が響いた。
「おじさ~ん!カメを捕まえて持って来たよ~!」
声のする玄関へと向かうと、近所に住むチビっ子三兄弟であった。
「カメって…、そのカメ何処にいるの?」
すると、チビっ子は、
「へんげちゃんたちといっしょにいるよ。」
と、僕の手を引っ張って急かした。
すると、三兄弟のお母さんも一緒に、大きなカメを見守っていた。
カメを覗き込んで見ると、すぐに分かった。
以前、国道を命懸けで横断していて、僕が助けたカメだった。
あの時はタライをよじ登り去って行ったが、今こうしてつぶちゃんの月命日の供養のタイミングと重なり、[再会]がもたらされたのであった。
この奇跡的な[再会]をチビっ子たちのお母さんにも伝えると、驚きと同時に幸せそうな笑顔をつくってくれた。
その後三兄弟は、つぶちゃんのお墓でカメとの記念写真を撮影した。
「おじさん、このカメあげるね。」
「ありがとうな。連れて来てくれて。」
小さな[幸せ配達人]たちは、お母さんと一緒に帰っていった。
ローソクと線香を灯し、読経に感謝の想いを乗せてつぶちゃんに届けた。
「再会させてくれて、ありがとう。」

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