毎年、春の足音と共にやってくる、アカデミー賞の授賞式。
今年の授賞式は、春の嵐が吹き荒れた。
プレゼンターを務めたクリス・ロックの軽口で妻をイジられたウィル・スミスが壇上へと上がり、クリスにビンタのスマッシュをお見舞いしたのである。
この[事件]を目の当たりにした時、以前にこのブログにも投稿した事のある、映画[セブン]の記憶が呼び覚まされたのであった。
*[映画 セブン]のタイトル記事と併せて読んで頂けたらと思います。
クリス・ロックの放ったウィル・スミスの妻への軽口は、ウィル・スミスの内側に潜む怒り(悪魔)を見事に炙り出してみせたのだ。
映画[セブン]のラストシーンで、犯人がブラッド・ピット演じる主人公の[怒り]を引きださせたように。
主人公の刑事に、犯人から渡された箱…。
その中身は、劇中では描写されていません。
しかし、主人公の苦痛に歪む表情から想像できるもの…。
それは、おそらく[首]…。
愛する妻の…
そして、主人公は苦痛に顔を歪めながら、銃口を犯人に向けて引き金を引いたのであった。
今回の授賞式でのクリスの口撃も、ウィル・スミスの愛する妻へのものであった。
しかも、脱毛症という病に対する[苦しみ]を軽くエグってみせたのだ。
クリスは悪魔なのである。
そして、クリスという悪魔は、ウィル・スミスの中に潜む悪魔を見事に炙り出したのであった。
アカデミー授賞式という格式高い伝統は、悪魔の所業に汚されてしまったのであった。
ウィル・スミスには、大きな代償が降りかかる気配を見せている。
一方のクリスは…
ステージは大盛況、しかも軽口は収まらず…。
しかし、天はウィル・スミスを祝福している。
何故なら、ウィル・スミスの中に隠れていた[悪魔]は姿を現し、今その[悪魔]とウィルは向き合い闘っているから…
彼の内側の浄化へ向けて…。

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