この映画も小学生の頃に、劇場に観に行った作品である。
そして今も、その[感動]は僕の中で生き続けている。
舞台はフランス。
パリ郊外のアパートでタクシー運転手の父と二人で暮らす少年と、裕福に包まれて育ったアメリカ少女の[出会い]から[別れ]が描かれた作品である。
貧富という、そんな真逆の環境に身をおく二人が織りなす、[陰陽統合]をめざす物語…。
二人はルーブル美術館で出会う。
意気投合した二人は仲良くなるのだが、少女の母親に交際を反対されてしまう。
更には、少女の両親の都合(エゴ)によって、少女はアメリカへ帰る事が決定してしまう。
ある日、そんな二人は老紳士と出会う事となる。
その老紳士(実はペテン師)は、二人に[サンセット・キスの伝説]を話して聞かせる。
サンセット・キス…
それは、ベネチアにある[嘆きの橋]の下で、日没のタイミングでキスを交わしたとき、その二人の[愛]は永遠になるという…。
やがて、自身がアメリカへ帰ってしまう事を知った少女は、少年との[サンセット・キス]を決意する。
老紳士も同行する事となった二人のベネチアに向けた[旅]は逃避行となり、警察からも追われてしまう事となる…。
同行している詐欺師の情報も掴んだ警察は、誘拐事件として大捜査網が引かれる事となった。
[嘆きの橋]を目指しながらも、立ちはだかる困難に諦めかけた二人に老ペテン師は告白した。
「実は、[サンセット・キス]の伝説は嘘だった…」
その嘘を責める少年に、老ペテン師は言うのであった。
「たとえ伝説が嘘だったとしても、それを真実にするのは君たちだ!」
もうこの辺りから胸がジンジン、目頭が熱くなります…。
やがて警察の追跡も迫り、老ペテン師は自首する事に…。
警察の厳しい取り調べにも、決して口を割ろうとしない老ペテン師…。
日没が終わるまでは、何がなんでも…。
やがてゴンドラに乗った二人は、[嘆きの橋]の下で[サンセット・キス]を交わすのであった。
日没を知らせる鐘の音が、二人の愛を祝福しているかのように鳴り響く中で…。
ラストシーン…
アメリカへと帰っていく少女を見送る少年…。
少女を乗せた車が走りだす…。(ランナー)
それを走って追いかける少年…(チェイサー)
後部座席から、追いかける少年に振り返る少女…
無情にも離されていく二人…。
しかし、二人の[想い]は目には映らずとも、しっかりと繋がっているのであった。
この映画、DVD化されています。
興味をそそられたなら、ぜひ観て頂けたらと思います。
清々しい、温かい気持ちにさせてくれる作品です。
[真実の愛]のお話でした。


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