命拾いしたカタツムリの話

友人宅にお届けものがあり、出かける事となった。

外は小雨がパラついている。

車で走れば2分もかからないような距離にある友人宅だが、付近の道幅が狭いので原付バイクで走ったほうが理想的だ。

しかし、小雨が僕の判断を鈍らせる…。

こういう時は、直感に頼るのである。

何も考えず、ただ身体の動きに委ねるのだ。

すると、僕の手には原付バイクのキーが握られていた。

ポンチョを纏い、原付バイクで走り出す。

小道から本通りへ出て、直線を加速しようとした瞬間に、視界に映った[路面の小さな影]…。

とっさに避けながら、後続車をミラーで確認する…。

いない。

引き返してみると、それは健気に道を横断していたカタツムリであった。

小さな体は、危険地帯に踏み込んでしまっていた。

カタツムリのポジションも、ちょうど車が走って来れば、タイヤとジャストミートの位置であった。

運よく車も来ておらず、僕はカタツムリの命を救ってやる事ができたのであった。

とりあえず、助けたカタツムリをポンチョのポケットに入れて、友人宅へと向かった。

用事を済ませ帰宅すると、ポケットからカタツムリを取り出して、つぶちゃんの墓石の上に解放した。

[頑張って生きるだよ。]

そんな想いとともに…。

小さな命を救うことができた満足感に浸っていると、気づかされた事があった。

原付バイクを選択したからこそカタツムリを救う事ができたが、もし車を選択していたら僕が踏んでしまっていたという事実…。

僕の[閃き]は、そして[直感]は、正しく機能している。

しっかりと[繋がって]いる。

そう実感できた出来事でした。

そして後日、[それ]は不思議な現象となって現れた…。

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