先日、我が家の[カメだ!三兄弟]にお食事を与えながら様子を眺めていると、近所に住むおばちゃんが散歩のついでに立ち寄った。
水槽の上からカメたちを覗き込み、こう語り出したのである。
「お前たちは幸せだな。いいところに辿り着いて、何の心配もなく生きていける。良かったな…。」
しみじみと語るおばちゃんに愛想を振ると、再びおばちゃんは語り始めた。
「あんた、カメがいっぱい居る桜並木の所の用水路知ってるでしょ?」
知っている。
[カメ天国]と呼んでも間違いないくらいにカメたちの集落が出来上がり、そこを通る時は誰もがのんびりと過ごしているカメたちに視線を送る有名スポットである。
以前の投稿の[そして、別れ…]に登場した国道を横断中のカメを助けた時も、実は[カメ天国]に放してやろうと思っていた。
しかし、[カメ天国]は縄張りや秩序が厳しそうに感じたので、放すポイントとして却下したのであった。
おばちゃんの話に戻す。
「あそこのカメ、全く居なくなっちゃったの知ってる?」
そういえば、僕は最近そちらとはご縁が遠のいている。
「どうも、市が毒を流して殺処分してしまったらしいよ…。いくら外来種の異常繁殖だといっても、命をそんな形で片付けてしまうなんて…。」
おばちゃんの嘆きは、もがき苦しみ息絶えたカメたちの姿を僕の内側に映し出した。
[人間のエゴ]
それが間違いのない[答え]である。
我々人間には、小動物では抗うことのできない力を持ち合わせている。
苦しみながら息耐えて逝ったカメたちの無念のエネルギーはまさしく[龍]となり、我々人間では抗う事のできない自然界の力となって返ってくる。
それは[龍]の涙となり大雨を降らせ、[龍]の尻尾は大きな風を巻き起こす。
我々は、それを甘んじて受け入れるしかないのである。
例え[龍の涙]に沈もうとも、僕は[龍]を恨まない。
[龍]は癒すべき存在であるのだから。
[龍]…
それは、
怒り
憎しみ
悲しみ…
龍を癒せば虹となる。

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