前回からのつづき…
シロアリらしき生物を見つけるも、まさかと高を括る僕であった。
実は3年前、大手のシロアリ駆除企業の営業の方が訪ねて来られて、床下点検を無料でして頂けるという事で診て頂いたところ、[問題ナシ]であった。
「建物の基礎もしっかりしていて、木材もしっかりしたものを使っているので、シロアリ侵入の心配は[とりあえず]は良さそうです。」
とお墨付きも頂いていた。
[大丈夫]
それが[幸せ]に生きる心構え。
[生物]発見から、1ヶ月が過ぎた頃…
その日も、3匹のカメたちのお世話をしていると…。
ガレージに面した生活道路を、見た事のある作業着に身を包んだ男性が歩いてきた。
3年前に床下点検をして頂いた、シロアリ駆除企業の営業の方であった。
3年前の人とは違ったが、すぐに理解する事ができた。
また今回も床下無料点検をしながら、営業に回っているのだと。
僕はすぐに男性に声をかけた。
「こんにちは。シロアリの無料点検ですよね?」
すると、営業の男性は、
「ハイそうです。ちょうどお宅に伺おうと引き寄せられて来ました。」
ちょっと不思議な言い回しである。
「ちょっと見て欲しいものがあるんです。」
「どうしました?」
僕は営業の方を、[例のモノ]の所へ案内した。
営業の方が覗き込む…
そして…
「あっ、シロアリですね。」
なんとも味気ない語気が、僕の内側を這っていく…。
ガーーーン…
放心状態になるも、努めて平静を装う。
それでも、まだ救いはあった。
営業の方曰く
「床下に入ってなければ問題ないので、明日の午前でしたら床下に入らせて頂きますよ。」
そうだ!
我が家の床下の基礎は、お墨付きを頂いている。
大丈夫、大丈夫。
そんな安心感が湧き上がるのを感じた。
すると、営業の方がカメを見て
「カメがいるんですね。しかも3匹も…」
[そこ]に触れられてしまうと、何故かその[物語]を話し出してしまう僕…。
営業の方も、興味を持って聴いてくれている。
話は[つぶちゃんとの別れ]に遡り、この3匹のカメたちがここに辿り着いた経緯を説明した。
*途中からお読みの方は、是非とも最初からお読み頂けたらと思います。*
そして僕は続けた。
「それで、丁度カメのお世話をしている時に、このシロアリに気づく事ができたんですよ。」
すると、営業さんは付け加えて
「今日もカメさんのお世話をしている最中に、僕が現れたという事ですね。」
出会ったばかりではあるものの、まるで息の合った会話のキャッチボール…。
僕はこの[出会い]に、何か深いご縁を感じるのであった。
話は弾み、このブログにも書き綴ってきた様に[つぶちゃんとの別れ]を経て、そして[つぶちゃんと繋がる]事のできた不思議体験や不思議現象を、スマホに保存してある写真や動画を観ながら話を進めていくと、営業の方の頬を涙が伝った…。
「すみません…。実は最近のこと、我が家の大切な猫ちゃんが亡くなってしまって…。つい…。」
僕は伝えた。
「今日の僕との出会いはきっと、つぶちゃんとネコちゃんがご主人の心の痛みを汲み取って、僕のところに連れて来てくれたんですよ。カタチは無くなっても想いのエネルギーはちゃんと届くから、今晩帰ったら早速[ありがとう]って伝えてあげて。[ここ]に導いてくれて、ありがとうって…。」
笑顔の戻った営業さんは、庭にある[つぶちゃんのお墓]にも手を合わせ、[感謝]を伝えて帰っていかれた。
「じゃあ明日、床下を見に来ます。」
そうそう、そっちも重要なんだよ…。
果たして、運命やいかに…。
つづく。
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