前回からのつづき…
床下点検の時がきた。
朝の9時30分。
いよいよ、床下点検が始まる。
僕の気分は落ち着き、リラックスした状態ではある。
[大丈夫]なんだから。
シロアリの心配よりも、むしろネコニャンの方が心配であった。
お客さんが訪問すると激しく動揺し、穴ぐらを見つけて隠れてしまい、息を殺して[危機]が去るのをジッと待つ…。
そんな肩身の狭い思いをさせると思うと、早く点検が終了する事を願っていた。
一時間近く点検は続いたであろうか…。
ようやく、営業の方が地上へと帰還した。
「ご苦労様でした!」
朗報の願いを込めて、労いと感謝でお迎えすると…
「ありました。蟻道…」
ガクッ…
再び、
放心状態…
次の瞬間、
エ~~~~!!!
絶望の悲鳴をあげた。
早速、デジカメをテレビに接続し、床下で撮った写真を見ながら説明を受ける。
あるではないか!
蟻道のハイ・ウェイがっ!
しかも、少しばかりカジっていやがる…。
営業の方が言う。
「この食べられている部分の木は、柱の補強部分の木なので、さほど影響も無く心配いりません。ただ、早く見つける事が出来て良かったですよ。カメのお世話をしていたからこそ、足場板のシロアリに気づく事ができた。むしろ、足場板のシロアリは[ヒント]であって、それをカメたちの[命]が知らせてくれたんですよ。」
まさしく、同感である。
気づかず放置していたら、来春には更に盛大なパーティータイムとなっていたに違いないのだ。
護られてる。
感謝である。
つぶちゃんに…
そして、龍神様に…
更には、宇宙に感謝である。
早速、駆除の見積もりに入った。
いきなりの大きな出費に動揺するも、それでも[大丈夫]!
明日、ロトが当たるかも知れないし。
あくまで[希望の光]は持ち続ける。
だって、護られているんだから。
今回だって、大事に至る前に発見できたんだし。
これは、ハッピーな出来事だったんだ。
ショックを感謝に切り替え終えると、駆除の日程を決める段取りへと進んでいった…。
一通りの手続きが終わり営業の方が帰って行くと、どこから出てきたのかネコニャンがニャ~と声をかけてくれた。
通訳するならば、
[なんくるないさ~]
って感じかな…。
つづく。

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