ご加護を感じて…⑤

前回からのつづき…

シロアリの件は一件落着し、あとは保護したトカゲちゃんである。

三日ほど虫カゴの中で様子を観察するも、特別に弱っている様子もないので、いよいよ自然に帰す時を迎えた。

どこに解放してあげようか…。

そんな時は、決まっている。

つぶちゃんのお墓でお別れしよう。

きっと、つぶちゃんが安全な場所へと導いてくれる。

お墓の前で虫カゴのフタを開け、そっと指を中に入れてみる。

指先でトカゲちゃんのお腹を突っつくと、僕の指先に登ってきた。

そっと、墓石に近づけていく…

トカゲちゃんは元気に墓石へと移動して、その奥の供花のところにいたカタツムリちゃんと合流した。

また、元気な姿を見せにおいで。

そんな想いを込めて、小さな命を見守った。

トカゲちゃんも無事に解放できて、これで今回の一件は本当の意味で落着である。

虫カゴにフタを戻し、空となったそれをガレージへと戻しにいく。

虫カゴを元の場所に戻し、顔を上げたとき…

つぶちゃん!

つぶちゃんオーラが微笑んでいた。

平和だな。

この[感覚]を、大切に生きなきゃね。

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