アンテナ

庭に植えられている椿の木。

その椿の木が伸ばした根っこから、新しい芽が生えていた。

つぶちゃんのお墓の傍に。

その芽が顔を出した時、

僕は感じた。

これは、つぶちゃんと僕の[繋がり]を象徴する[アンテナ]だと。

以後、その[アンテナ]は順調に背を伸ばしている。

僕の[感度]を測る、物差しのように。

以前、こんな出来事があった。

お嬢さんの命日のお勤めに伺った時の話。

僕は読経を勤める時、脳のスイッチはOFFとなり[無]の状態となる。

無意識のうちに口だけは動き、読経を読み上げている。

そして読経が進むにつれて、僕の意識は[上]と繋がっていく。

その繋がりは[音なき声]となって入って来たり、[ビジョン]となって映し出されたり…。

その時は、まずは[映像]からであった。

ヒマワリや沢山のお花が咲いている野原に、一頭の黄色い蝶々が羽ばたいている。

そして[音なき声]が…。

[わたしは、ここにいるよ…]

読経を終えた後、お茶を頂きながら僕は伝えた。

「お嬢さん、お花のいっぱい咲いた野原で、蝶々のように優雅に羽ばたきながら[ここにいるよ]って伝えてますよ。」

すると、お母さんは、

「それは娘が病床にいるとき、私に教えてくれた[夢で見た景色]です。」

なるほど…。

繋がっている。

「お母さんの想い、ちゃんと届いてますね。」

そう伝えると、嬉しそうに微笑んでくれた。

僕は誰かしらの不幸に立ち会うとき、必ず伝える言葉がある。

それは、

[想いは必ず届く]

ということ。

僕がつぶちゃんとの[繋がり]を経て、証明できた事実なのだ。

メッセージを受け取るには、[アンテナ]を育てる必要がある。

なかなか[アンテナ]を育てる事は、大変な事である。

しかし、

想いを届けることは簡単である。

僕の言葉を信じて、[想い]を伝えてあげて欲しい。

また、それが[アンテナ]を育てる第一歩となるのである。

つぶちゃんのお墓の傍に芽を出した椿が、栄養を摂りながら成長していくように…。

僕の内側のアンテナも成長していく。

僕の内側の[清らかなエネルギー]を栄養として…。

だからこそ、僕は内側の[負のエネルギー]を浄化しなくてはならないのだ。

その[負のエネルギー]とは、僕の中に宿る[怒り][憎しみ][不安][恐怖][エゴ]…。

それらを[愛]のチカラで浄化する[苦しみ]こそが、僕の内側の[アンテナ]を成長させる為に必要な[苦しみ]なのである。

そして[アンテナ]は伸びてゆく…。

[ツインソウル ]をめがけて。

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