罪と癒し 前編

つぶちゃんの命と向き合い、やがて繋がることができた僕。

そんな僕の[想い]は、つぶちゃんを起点として拡大していった。

過去にご縁のあった[命]たちに…。

子供の頃に飼っていたワニちゃん…。

シャム猫ちゃんたち…。

イグアナちゃんやヤモリちゃんたち…。

ピラニアちゃんたちやミドリフグちゃんたち…。

ウーパースーパーちゃん。

ダックスフンドのワンちゃんもいた。

僕を癒してくれた様々な[命]たちに、つぶちゃん同様に感謝の[想い]を伝える日々を過ごす。

そんな穏やかな僕の内側を揺さぶるかの様に、突然のアクシデントが降りかかってきた。

カウンセリングを終えての帰り道、僕は片側一車線の田舎道を車で移動していた。

夜の9時半をまわっていただろうか。

僕は前方を走る車に続く形で、間もなく迎える橋に差し掛かろうとしていた。

そして、橋に入る瞬間…。

僕の視界の右隅から、[影]が僕の前に走り出た!

咄嗟にブレーキを踏むも、無情にも生々しい衝突音が響く…。

僕はあっけにとられながら、ハンドルの向こうに顔を乗り出し覗き見ると…。

ヘッドライトの灯りが、大の字に伸びた中型犬を照らしていた。

死んじゃった…?

出血は無かったものの、衝撃に気を失ったワンちゃんは、すぐに意識をとり戻し走り去って行った。

走りっぷりから見て骨折はしてなさそうであったが、後の後遺症がどう出るかはわからない。

何とも後味の悪い出来事であった。

しかし、

起きる出来事には、

全て[意味]がある。

その[意味]を、僕は突き止めようと思うのであった。 

この[出来事]は、僕に[何]を伝えようとしていたのか…。

でも、今日はただ祈ろう…。

ワンちゃんの無事を…。

そして、僕がワンちゃんに与えてしまった[苦痛]を、僕の[想い]で癒してあげよう。

何故なら、

この[出来事]は、僕の内側が創り出した[出来事]なのだから。

やがて朝を迎え、気になっていた車の痛み具合を見に行くと…。

ナンバープレートとフレームが曲がってしまい、割れたフレームの切れ目にワンちゃんの毛が付着していた。 

それは事故の瞬間、ナンバープレートで押し倒した形となった事を教えてくれていた。

車のことは…。

まっ、いいか。

なんくるないさ~。

そして、

僕は知ることとなる…。

この[出来事]のもたらす意味を…。

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