人気スポット

午後3時を過ぎた頃、我が家のインターホンが鳴った。

配達物でも届いたのかなと思いながら玄関へ向かうと、ガラス越しに小さなシルエットが映し出されていた。

前回に紹介した、近所に住むちびっ子のKくんだ。

玄関扉を開けると、

「おじちゃん、お参りにきたよ。」

と額に汗を滲ませながら、Kくんは微笑んだ。

学校帰りに立ち寄ってくれたらしい。

ランドセルを背中から下ろすと、心も身体も解放されたかの様に、つぶちゃんのお墓を目指して走っていった。

目を閉じて感謝の[想い]を伝える姿は、もうしっかりと板についている。

8才にして、[繋がる]という感覚に意識が向かおうとしている。

以前に見せた、僕とつぶちゃんが[繋がった]不思議動画や不思議写真の影響が大きいとはいえ、この[姿勢]はその道の才能アリといえよう。 

Kくんのお参りが終わって、次回はオレンジジュースを用意しておく約束を交わすと、ランドセルを再び背負った小さな身体は自宅へと歩き始めた。

そんな背中を見送っていると…。

その時!

つぶちゃんのお墓に佇んでいた一頭の蝶が、突然Kくんを追いかけて羽ばたいていくではないかっ!

[繋がった!]

そう感じ取った僕は、少々興奮気味にKくんを呼び止めた。 

「Kくん!繋がったぞ!」

Kくんが振り向き、そして足を止めたとき…。

その蝶(つぶちゃんメッセンジャー)は、Kくんが頭に被った黄色の通学帽の頂上に着陸した。

あまりのKくんの動揺ぶりに、蝶もビックリして飛び去っていった。

あまりに唐突な出来事に、今回は動画や写真も撮ることができずUPできないのが残念であるが、それでもKくんにとっては[想いで繋がる]という大きな大きな体験となったのである。

後日、その[出来事]は子供たちの話題となり、また新たなちびっ子が[不思議]を求めてやってきた。

つぶちゃんのお墓は、ちびっ子たちの人気スポットとなり…。

そして、

僕とつぶちゃんの

[ストーリー]は、

世代を超えて語り継いでいってもらえそうだ。

[想い]というエネルギーの大切さと共に…。

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