役所広司さんが主演を務めた人間ドラマ。
2021年に公開された作品である。
公開当時、劇場で観るタイミングを逃してしまい、とても気になっていた作品である。
amazon prime videoのメニューに新たに追加されていたので、昨夜やっと鑑賞することができた。
役所広司さんの演技は、どの作品も観る者をその“世界”へと引き込む“迫真”に満ちており、彼の創り出すキャラクターを毎回楽しみにしている。
今回、彼が挑む役柄は、人生の大半を刑務所で過ごしてきた殺人犯である。
この男が刑務所を出所するところから、ドラマは動き始める。
長い獄中生活の中から、“あたりまえの世界”に放り戻された主人公の三上…。
始めこそは開放感から“希望”が沸くも、現実世界の厳しさと思い描いた理想のギャップに、次第に彼の[内側に眠る傷]は“怒り”となって再び目を覚ます…。
そんな内側の“負のエネルギー”と闘いながら、なんとか“シャバ”に根を張ろうと悪戦苦闘する三上の姿と、僕が向き合って闘ってきた“内側の浄化”が重なって映る。
この作品は、そんな三上の“苦しみ”と“成長”を見事に描きだしている。
もがき苦しむ三上の姿に、作品のタイトルである[すばらしき世界]の“景色”など、どこにも感じることはできないのである。
しかし、
作品が終わりを告げたとき、
“それ”に気づくことができるのである。
すばらしき世界…
それは、
もがき“苦しむ”三上には、
それを支えてくれていた、
“愛”という何本もの柱が存在していた“事実”であった。
最後のカメラワークが、
そんな主人公の三上からの“感謝”を伝えているようだった。
映画 すばらしき世界
この作品と出会えたことも、天からのプレゼントだと感じている。
お前の世界は、素晴らしいんだよ。
それに気づけよ。
そんなメッセージを受け取った。
まだ観てない方、おすすめの作品です。
是非、ご覧になってみて下さい。

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