Hunter

若かりし頃、こんな夢を見た…。

時化の中、僕は船上にいる…

強風と高波に揺られながら、船上の乗組員として作業と向き合っている。

船酔いも酷く、気力と体力も限界に達してもがいている…。

漁師の仕事は、もうまっぴらだ!

そんな“叫び”を発したとき…

僕は“夢”から覚めた。

その時感じた想い…

「漁師の仕事って大変だな…。」

夢という“擬似体験”とはいえ、あまりに生々しい体験であった為、漁師ではない自分に安心を覚えたほどだ。

あの時の“リアル”な感覚は、忘れようもない程に僕の中に残り続けた。

やがて、10年ほど時が流れたであろうか…

僕の姿は、船上にあった。

その夢は“正夢”となり、僕は未知の体験へと誘われていった。

地元が漁師町という事もあり、漁師という職業は身近に感じてはいたが、まさか自分が船に乗るとは想像の外であった。

当時は豊漁に恵まれ、人手が欲しい同級生のお家から声をかけられた僕は、そのまま承諾し船に乗ることを決めた。

あの時の“夢”が、この“現実”と重なるのは必然だったのかも知れない。

その“仕事の依頼”を受けた日が、つぶちゃんの命日の8日であったことも、僕の背中を押した大きな理由でもあった。

おいで、おいで…

そんな手招きを感じながら、

僕は“そこ”へと導かれていったのだ。

初めて経験する自然を相手にする仕事に、船酔いから熱中症と様々な経験を積みながら時は流れていった。

僕は僧侶でもあるため、漁師の仕事と僧侶としての顔、その二つを人生で使い分けることとなっていった。

まさしく、

“動”と“静”の“陰陽道”を生きることとなった。

真逆の性質を体験しながら、僕の“時”は進んで行く…。

そんな中で始まった“ツインソウル計画”…。

やがて海の状態は一時のピークを降下し始め、やがて状況は不漁となってしまう。

そこで僕は、船を降りることとなった。

6年間の貴重な経験に感謝しながら…。

そして、

次に僕を待っていたのは、

“ツインソウル”からの[招待状]であった。

内側から[手招き]する“何か”に向かって、

その“道”を大掃除しながら進む僕…。

ある日、

こんなイメージが浮かんできた。

船が港に還るとき、そこに積まれた“大漁”に皆んなは笑顔になり、そして我々もやり切った感覚に満たされる。

一方、見込み違いとなった時、心には釈然としない“何か”が残る。

そんな、漁師の世界のように…

僕の内側に宿る“魂”は、

僕という肉体の“船”を操って、

この世という“海原”に漁をしに来ているのかも知れない。

ならば、

“魂”は何を収穫して“港”に還るのか…

それは“感謝”なのではないだろうか。

たくさんの人から感謝され、

その“ありがとう”を持ち還る。

“ありがとう”の大漁に、“港”は笑顔で迎えてくれる。

頑張ったね!と…。

いつか還る“港”で、

僕の“魂”が笑顔でありますように。

そんな“気づき”に辿り着くための、

僕の“漁師経験”だったのかもしれない。

お世話になった船主さんや、

僕をサポートしてくれた皆んなに、

ありがとう!

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