今日、9月8日はつぶちゃんの命日であった。
一日を終えて、今日を振り返る…。
今日は、こんな出来事から幕を開けた。
僕が床に就いて2時間程が経過した、早朝5時過ぎのこと…
眠りの中で解放された僕の“意識”の中に、不協和音とも言える居心地の悪い“響き”が混ざり込んできた。
やがて僕の意識はその“不協和音”によって、奥深いところから現実世界へと引き戻されていく…
もうろうとする意識の中で、やがてその“不協和音”の正体が理解に至る。
ネコニャンの鳴き声だ。
何かを訴える時のような純粋な鳴き声とは違い、色んな感情の入り混じったような鳴き声…
映画“エクソシスト”の悪魔の声のような…
違和感を覚えて飛び起きると、
そこには絶対絶命の危機に瀕したヤモリちゃんが、今まさにネコニャンの餌食になろうとしていた。
その横では、切れたヤモリの尻尾が踊っている…。

ヤモリを前足で踏みつけたネコニャンに優しく声を掛け、そっとヤモリを手の平で覆い隠した。
ヤモリは抜け殻のように動かない…
死んでしまったのだろうか。
ガッカリするネコニャンをよそに、手の平でヤモリを摩ってみた。
動いた!
生きてる!

素早く玄関から外に出ると、ヤモリを壁に這わせみた。
すると、
尻尾はなくとも元気に壁を登って行った。
やれやれである。
ヤモリは目がクリクリしてて、僕にとってはラブリーな存在なのである。
そんなヤモリをターゲットにしてしまうネコニャンも、ハンターという性なのである。
とりあえず、守ってあげられて良かった。
そして、僕は再び眠りの続きへと落ちていった。
それから3時間ほどして目を覚ますと、
早速ネコニャンが朝のブラッシングをねだりに来た。
身体を気持ち良さそうにそり返らせ、喉を鳴らしながらブラシの感触を味わうネコニャン。
平常通りの朝をやり繰りし、いよいよつぶちゃんの命日の供養の準備に取りかかる。
供花を備え、お供え物を準備して、読経を勤める段取りが整っていく。
今日の法事には、僕がちびっ子ボクシングクラブを主催していた頃の“弟子”たちがお参りに来てくれる事となっている。
その“ちびっ子”たちも今では20代や30代となり、久しぶりの再会の“ご縁”となる。
当時、小学生だった弟子たちは、練習に来る度につぶちゃんを可愛いがってくれたものである。
その“つぶちゃん”が、再会のご縁を取り持ってくれたといえよう。
一匹のカメが、こんなにも沢山の“想い”に包まれながら、今もみんなの“心の中に在る”のである。
みんなの“想い”を読経に乗せて届けた後は、思い出話に花が咲く。
今年のつぶちゃんの命日は、
ちびっ子ボクシングクラブ
“つぶ塾 げんこつクラブ”
の同窓会となった。
こんなにも温かい法事を執り行うことができた“ご縁”に、また集まってくれた“弟子たち”に感謝の想いでいっぱいであった。
「そろそろ、ご無礼しようかな…」
弟子がそう言って席を立ったとき、
何気に時計を眺めると…
“8”の数字がメッセージとなって届いていた。

“8”
それは、
つぶちゃんの“背番号”
“今日は、ありがとう。”
そんな意味が含まれているのである。
そこでまた“繋がり”を実感しながら、
皆それぞれの“生活”へと戻っていった。
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