新入居者現る

今日も酷い残暑が続く中、

エアコンを効かせた部屋で少しばかりの休憩をとる。

ボクは両足でネコニャンを挟みながら、仰向けになってスマホを見つめている。

何か“面白い情報”と出会えないかな…。

そんな“レーダー”を巡らせながら、

興味のある対象にアンテナを向ける。

職業柄、占いサイトも参考になるので、

ちょくちょく覗かせてもらっている。

今日もクビを突っ込んでみると、

可愛いカエルの広告に興味を引かれた。

[“チャコとクォッカ”の詳解ホロスコープ]

ボクの内側からメッセージが届く…

“やってみなよ。”

どんなメニューが揃っているか、順番に品定めをしていくと…

あった。

ボクとツインソウルの彼女の“未来”について、状況的にピッタリとハマる項目が。

ボクとしてはもう既に、その“未来”に向けてどうするべきか、また何が正解なのかは理解できている。

それでも、様々な人の見解と照らし合わせ、

イメージを膨らませたいと思うのだ。

その結果は…

それはまるで、映画の心震えるハッピーエンドの結末の様な、そんな頬の緩むような“答え”が返ってきた。

思ったとおりの鑑定結果であったが、その結果を伝える“表現力”を感じるのも楽しいのである。

しかし、

その“結末”に辿り着くまでの“苦しみ”までは、そこには記されてはいなかった。

そういえば、ボクの中で消えることのない、大切な“言葉”がある。

それは、

ある有名な占い師の方に言われた“言葉”である。

“キミには希望を現実にするチカラが備わっているよ。”

その“言葉”は、

つぶちゃんとボクが“繋がる”ことができたことでも立証されている。

それは“欲望が満たされる”という意味ではなく、“純粋な想いは必ず叶う”と受け止めている。

そんな自分の中の“エネルギーワーク”も兼ねて、今日も“つぶちゃんのお墓”へと向かった。

ローソクを灯し、

線香を備えると、

ボクの意識は灼熱に包まれながら、

徐々に内側へと入っていく。

このときの“感覚”こそが、

“繋がる”までのプロセスとなる。

心が“納得”に至ったとき、

ボクは目を開けた。

すると、

ボクの足元に置かれたローソク立ての前で、一匹のアマガエルが燃えるローソクを見つめていた。

先程、ボクの気を引いた“占い広告のイラストのカエル”が、実物となって現れたのだろうか…。

そんな“シンクロ”を感じながら、

ボクは霧吹きでカエルの背中に水をかけてやった。

暑いだろ…

気持ちいいか…?

するとカエルは、

つぶちゃんのお墓の上に飛び乗り、

居心地良さそうにしていた。

先日、ここで亡くなっていたアマガエルを弔った記憶が甦る。

去るものがあり…

来るものがある…

つぶちゃんのお墓のエネルギーは、

そうやって“循環”しているようにも映るのである。

「ボクが“ここ”の管理人だから、仲良くしよーね。」

そう伝えてみた。

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