闇との闘い④

僕がジョニーの存在を知ることとなった当初は、彼の胸の中心部分には[マリア様]が彫り込まれていた。

それは彼にとって[母]の象徴であり、又は彼の内側の闇を照らす一筋の[希望の光]であり、彼の内側の[悲鳴]の表れでもあったのだろう。

ポーリーとの防衛戦を迎える頃には、彼の身体は沢山の[天使たち]や[神々]に彩られていた。

当時は、こんなにtattooが増えているが、試合に向けて集中できているのだろうかと疑問を感じた。

しかし今思うに、彼の身体を埋め尽くす神々のtattooこそが、彼の内側の[闇]の拡大の現れだったのだ。

彼は苦しんでいたのだ。 

[神]に救いを求めていたのである。

ポーリーとの試合が近づく中、彼の元に地元警察から連絡が入る。

実は彼の母親を殺害した犯人は、24年間判明する事なく、時だけが過ぎてきた。

彼はあるインタビューで答えていた。

「オレのボクシングの原動力は、母を殺した犯人への憎しみだ。対戦相手を犯人だと思い戦っている。」

その犯人が判明したとの連絡であった。

そして、犯人は数ヶ月前に交通事故で死亡していた事実を告げられた。

法に裁かれる事なく、この世を去っていった不条理…

ジョニーは複雑な心境に追い込まれていった。

試合が迫っているというのに…。

ジョニーの試合はビッグマッチであり、ペイパービューも販売されており、試合のキャンセルは不可能な状態であった。

そしてジョニーは、その[怒り]を原動力に変えてリングに上がる決意をする。

そんな予想外のダメージを受けながらも、タイトルマッチの当日を迎えた。

つづく。

“闇との闘い④”. への2件のフィードバック

  1. お久し振りです‼️ブログ読ませて頂きました。一冊の本を読んでるようでした。写真のチョイスも素晴らしい、色鉛筆の写真かわいらしと同時に、人はそれぞれ色を持ってるとメッセージをもらいましたよ。

    いいね: 1人

    1. けいこさん
      お久しぶりです。
      blogを読んで頂き、大変嬉しく思います。
      これからも、よろしくお願いします。
      ちょっと、ボクシング関連が続いていますが、また様々なメッセージを発信していきます。
      けいこさんに幸せが届きますように🌈

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