つぶちゃんのお墓で向き合っていると、小さな虫たちを見かけるようになった。
春の訪れを感じる。
もう、三月に入ったんだな…。
すると、
足元に一匹の虫がとまった。
潰してしまう前に、気づいてよかった。
その虫は頭を持ち上げ、こちらを見ている。
動こうともせずに。
「あっ、
つぶちゃんメッセンジャーだ。」
また、虫に宿って[姿]を現してくれた。
「つぶちゃん、おいで…。」
ゆっくりと指を差し出すと、その先に登り始めた。
「ちょっと待ってよ…」
虫を指に乗せたまま、ポケットの中のスマホを取り出す。
「つぶちゃん、いつものように撮影するよ。よーい…アクション!」
全く、面白くもない動画かも知れないが、僕にとっては最高の瞬間なのである。
[繋がる]という、[安心]の瞬間なのだ。
時にはアブに宿って現れる事もあるが、決して刺される事はない。
何故なら、お互いは[安心]で繋がっているから。
アブという[着ぐるみ]の中の正体は、つぶちゃんであるから。
今年も[この場所]は、賑やかくなりそうだ。
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